まだ妻が脳梗塞で倒れる前の夏頃、
二人でスーパーへ買い物へ行ったかえり、川沿いを歩きながら、
妻から「このお腹の子の名前どうしようか」と聞かれた。
古事記が好きな私は、
「そやな、アマテラスはどうかな」、「それはない」とこたえる妻。
そうか、
「スサノオノミコト」、「だめー」
「ツクヨミ」、「だめー」
「アメノウズメ」、「だめー」
と誰かの漫才のようなやりとり。どうしてもボケたくなる。
あとは何やろ。
落語習いに行ってた身としては、寿かぎり無しの意味で、寿限無(じゅげむ)かな
「・・・」沈黙による反対の意思表示。
「まじめに考えて。」と、夫婦によくある少し気まずい雰囲気での帰宅。
今思い返すと、楽しかった思い出。
その後、9月末に妻が脳梗塞で倒れたので、しばらく子供の名前の事は後回しになっていた。
意識が戻り、リハビリも開始し、赤ちゃんのエコー検診もできるようになったある日、病院にいる妻とLine通話で会話をしてるとき
妻から「赤ちゃんは、”あかり”でどうかな」と突然の提案。
「あなたもスーパーの帰りに言ってたでしょ。アマテラスって。
そのままだとあれだけど、アマテラスっぽい、”あかり”はどうかな」と。
アマテラスは言ったけど、”あかり”は言ってなかった気がする。
でも「あかり」か・・・
直感的に、すごく良い響き。
お腹の赤ちゃんは、今の私たち夫婦にとって希望の存在。私たちだけでなく妻の病で心配させてしまった親族一同も笑顔で照らしてくれる。
この数ヶ月、色んな事が怒涛の如く起きたので私の中で名前の事を後回しにしてしまっていたが、妻は病とリハビリの中でも常にお腹の赤ちゃんを感じ、どう呼ぶかを、ずっと考えてたんやなと思い、少し申し訳なく思った。
「そやな、これからお腹の子は”あかり”にしよ」とこたえ、その瞬間に名前が決定した。
その後は、私がお腹の子を呼ぶときは、呼び名の”あかりちゃん”と、頑張って生き延びてくれた赤ちゃんへの敬意の意味を込めて、”あかさん”と呼んでいる。
漢字については、3つの候補に絞られた。
エントリーナンバー1:阿香里
エントリーナンバー2:朱里
エントリーナンバー3:明里
最終的には、
①各漢字の持つ意味
②姓名をあわせた時のバランス感・フィット感
③五画診断・五行診断といった運勢
④そして何より我々の直感
を踏まえた上でどれが良いかを、妻と私で話しあい、漢字を決定。
“あかさん”、名前も漢字も決まりました。
あかさんが元気に生まれてくる事を、夫婦ともに祈って、待っています。